自分が携わる領域の最新情報は真っ先にキャッチアップしていきたいものです。
しかしながら、海外のサービスを利用していると、最新情報が英語で発信されていきます。サービスによっては代理店が日本語訳をしてくれますが、数日のタイムラグがあることがほとんどです。
本記事ではDifyを活用して、英語で発信されるAWSの最新情報を、自動で要約、見やすいグラレコ風のHTMLページに変換した事例をご紹介します。
実際の最新情報一覧はこちらのページで公開しております。
課題と解決策
課題は英語記事のであるがゆえのハードル
Amazon Web Services(AWS)は非常に情報のアップデートが早いのが特徴です。AWSの最新情報は「AWS News Blog」や「What’s New with AWS?」で発信されます。
しかしながら、情報発信は英語となり、英語に疎い人には敬遠されがちでした。記事によっては日本向けに翻訳されることもありますが、数日のタイムラグが発生します。しかも、日に5本以上も更新されるため、必要な情報を見つけ出すのも一苦労です。

Difyを利用して言語の障壁を取り除く
そこで、Difyを利用して、誰でも簡単にAWSの最新情報をキャッチアップできるようにしてみました。
ポイントは次の通りです。
- 英語記事を要約し翻訳
- スマホでも見やすいレイアウトに再構成
- 定期的にSlack通知

Difyを使ったグラレコ風HTML作成方法
Difyで作成したAIアプリケーションは次のような仕様です。
インプット
インプットとして、次のものを受け付けています。
- 変換対象URL
- Amazon S3のURI
処理内容
AIアプリケーションの内部では、次のことを行っています。これらは全てあらかじめ用意されているブロックやツールを利用して実装しています。
- 【WebScraper】Webページへアクセス
- 【LLM】ページ内容を要約
- 【LLM】グラレコ風HTMLページ作成
- 【AWS Tools】Amazon S3へHTMLアップロード
- 【Slack】社内のチャンネルに通知

実施トリガー
Difyには定期実行をする機能がありません。そのため、AWSを利用して定期実行するようにしています。具体的には、Amazon EventBridgeでAWS Lambdaをトリガーし、そこからDifyで作成したAIアプリケーションのAPIを呼び出すような形としています。
実際の運用と利用者の声
現在は一覧ページを公開しています
いくつかのフェーズを経て、現在は最新のAWSニュース記事一覧のページを公開しています。記事内容を元にカテゴリ分けも同時に行っており、検索ができるようになっています。日に数回、RSS Feedを取得し、最新記事があった場合に変換しているため、リアルタイムに近い情報取得が可能になっています。

2025年6月現在の全体像
AWSとDifyの連携についての技術的詳細は技術ブログへ記載しています。

実際の利用ユーザーの声
実際に利用してみた社内の声をご紹介します。手軽に情報のキャッチアップができるようになったという声が多く聞こえています。
「Slackに通知されるのでチェックする週間がついた」
「日本語なので抵抗感なく気になったものだけ見ることができる」
「日本語記事が上がる前に情報のキャッチアップができてよい!」
まとめ
この記事では、プログラミング不要の生成AIアプリ作成ツールDifyを使った、言語の壁を乗り越える活用事例をご紹介しました。
AWS の最新情報を素早くキャッチアップするために、英語記事を Dify で “自動要約+日本語翻訳” し、スマホでも読みやすいグラレコ風 HTML ページとして公開するしくみを構築しました。
結果として「Slack 通知でチェック習慣が付いた」「日本語なので抵抗なく読める」「公式日本語訳より早く情報を掴める」といった声が挙がり、英語というハードルと更新頻度の高さという課題を同時に解決できています。