月次マーケティングレポート サンプル(サイト全体×4ソース)

SAMPLE 架空の企業「A社」を題材にした月次レポートの公開用サンプル(ダイジェスト)です。数値・社名等はすべて架空です。章構成と記述の粒度は実際の納品物と同じで、分量のみ約半分に要約しています。
サイト全体 / 月次 / 4ソース統合分析レポート

広告費は14%増、問い合わせは60%増。
それでも、いちばん大きな取りこぼしは手つかずでした

先月やっと数字が信用できる状態になり、今月から達成/未達を判定できるようになりました。効率は改善し、獲得単価は初めて目標を下回りました。それでも件数の目標には届いていません。残りの2件は、広告費を積み増すより、スマートフォンのフォームで止まっている人を通すほうが近い——4つのデータを突き合わせて出た結論です。

対象
A社(架空・BtoB向けサービス業)のサイト全体/広告LP・サービスページ・技術解説記事を含む
分析期間
当月 31日間
比較期間
前月 30日間(日数差1日。増減は率で比較)
データソース
Google広告 / GA4 / Search Console / Microsoft Clarity(ヒートマップ・セッション録画)+ ページのソースコード
分析の問い
効率は改善した。件数の目標に届かせるために、次に何を直すのか。
種別
公開用サンプル②(月次・定期レポート提供のサンプル/ダイジェスト版・数値は架空)
問い合わせ8件(前月5件)。獲得単価は初めて目標達成 ¥60,000 前回最優先だった「問い合わせ完了の計測」が完了。今月から判定できる スマートフォンの完了率がPCの4割。入力を始めた34人のうち送信は3人 「無料」を含む検索語句に広告費の18%(¥86,400)・問い合わせ0件 ページの表示速度が3.8秒に悪化(前月2.4秒)
▸ 用語ミニ辞典(開かなくても読めます)
問い合わせ完了
成果として数える行動。このレポートでは問い合わせフォームの送信完了を指します。
問い合わせ完了率
ページに来た人のうち、問い合わせを完了した割合。完了数 ÷ セッション数。
クリック単価
広告が1回クリックされるたびに払う金額。広告費 ÷ クリック数。
獲得単価
問い合わせ1件を得るためにかかった広告費。広告費 ÷ 完了数。安いほど良い。
フォーム入力開始
フォームの最初の欄に文字を入れた回数。送信までの途中離脱を見るのに使います。
表示速度
ページの主役の画像・見出しが表示され終わるまでの秒数。2.5秒以内が目安です。
除外キーワード
「この語で検索した人には広告を出さない」設定。語順・表記が完全に同じ場合だけ効く指定と、語順が違っても効く指定があります。
匿名化(検索語句)
検索回数の少ない語句が非表示になる仕様。広告費の一部は、どの語で使われたかを見ることができません。

01KPIの達成状況

毎月の判定は、あらかじめ合意した目標値に対して行います。順序は「①数字は信用できるか」を最初に判定し、信用できない月は成果・流入の達成/未達を判定しません——数えているものが壊れている状態で増減を議論しても意味がないからです。今月はこのゲートを通過したため、先月まで見送っていた判定を再開しています。

広告経由の問い合わせ完了
8件
▲ 前月5件から+3件(目標10件)
獲得単価
¥60,000
▲ 目標¥80,000以下を初めて達成
問い合わせ完了率
0.61%
▼ 目標1.00%に未達
広告費
¥480,000
— 前月比 +14%

① 数字は信用できるか(計測の健全性)最初に判定するゲート

指標目標当月判定
テスト・社内流入の混入率0%除外設定あり・混入0件○ 達成
問い合わせ完了の計測経路存在する解析側8件・広告側8件で一致○ 達成
広告クリックが解析側で捕捉できているか1.0〜1.3倍1.10倍(着地1,320 ÷ クリック1,200)○ 達成
今月から、達成/未達を判定します 3項目すべて達成したため、以下の成果・流入の指標を判定します。前回のレポートで最優先だった宿題(計測の実装)が完了したことで、初めて「増えた/減った」の議論が成立する状態になりました。

② 成果(最終KPI)マーケティングが責任を持てる最終地点

指標目標当月前月判定
広告経由の問い合わせ完了数10件以上合意済み8件5件✗ 未達
獲得単価
対象:問い合わせ完了のみ
¥80,000以下合意済み¥60,000¥84,000○ 達成
問い合わせ完了率1.00%以上0.61%0.45%✗ 未達

サイト全体の問い合わせ完了は14件(前月10件)。内訳は広告8件・自然検索4件・直接その他2件。上表は広告経由分の判定です。

③ 目標までの距離を、2つの変数に分解する

問い合わせ完了数 = クリック数 × 完了率。目標の10件に足りない2件は、「クリックを増やす」か「完了率を上げる」か、その組み合わせで埋めます。ここまで分解して初めて、広告運用とページ改善のどちらに手をかけるかが決まります。

達成の仕方必要なクリック必要な完了率広告費現実性
A. 完了率を上げない1,500(1.25倍)0.61%のまま¥600,000費用が¥120,000増える。配信を広げるとクリック単価も上がりやすく、獲得単価は悪化しがち
B. 広告費を増やさない1,200のまま0.76%(1.25倍)¥480,000ページ改善だけで1.25倍。現状の詰まり方を見れば射程内
C. 折衷(採用)1,340(1.12倍)0.68%(1.12倍)¥536,000両方1.12倍ずつ。もっとも無理がない

Cを採用しました。ただし着手の順番はページ側(完了率)からです。理由は03章で述べるとおり、スマートフォンのフォームを直せば完了率は1.12倍どころか大幅な改善が見込めるため、先に費用を増やすと「効いた分」が費用増に埋もれて判別できなくなります。

④ 流入・行動(中間KPI)ダイジェストのため主要3行のみ

指標目標当月前月判定
平均クリック単価¥450以下¥400¥420○ 達成
意図しない検索語句への費用比率5%未満暫定18.0%26.0%✗ 未達
スクロール到達(平均)未設定52%45%目標未設定

※実物ではフォーム完了率・ページ別の到達率などの先行指標まで7項目を同じ形式で判定します。「暫定」と付いた目標は実績レンジから置いた叩き台で、承認前のため判定は参考値です。

⑤ 事業成果(受注・粗利)A社では現在【計測不能】

本来この上に、商談化率・受注件数・受注額・顧客獲得コストが乗ります。ただしA社は、CRM側で商談の流入経路と金額がほとんど入力されていないため、この層を現時点で算出できません。そのため獲得単価の目標¥80,000は、受注から逆算した値ではなく「1件にいくらまで払うか」を意思決定として置いた値です。目標そのものは機能しますが、その水準が事業として妥当かどうかは未検証——この区別を曖昧にせず、CRM入力が整った時点で目標値を再評価します。

埋められないものは、埋められないと書きます ここを憶測で埋めれば、体裁の整ったレポートは作れます。ですが「受注から逆算した目標」と「合意で置いた目標」を同じ顔で並べると、根拠のない意思決定を生みます。取得できない項目は「取得できない」と明示し、何が揃えば算出できるのか(この場合はCRM入力の運用)を課題として提示する——これも成果物のうちだと考えています。

02推奨アクション(結論)

意思決定はこの章までで完結できます。裏付けは03章に主張番号で対応させています。疑わしいと感じた箇所だけ、03章で検証してください。

最優先・今週中 A1. スマートフォンのフォーム入力項目を9個から5個に削る → 実装担当
根拠: スマートフォンでは入力を始めた34人のうち、送信まで届いたのが3人だけ(完了率8.8%)。PCは27.8%で、差は入力の手間に集中しています。 → 主張②
  1. 残すのは会社名・氏名・メール・電話・相談内容の5項目。
  2. 部署名・役職・従業員規模・予算感の4項目は送信後のヒアリングに移す(欄を消すのではなく、聞く場所を変える)。
  3. スマートフォンでの実機テスト送信を1件行い、送信完了までの手数を確認する。
完了条件: 実施後2週間で、スマートフォンの「入力開始→送信完了」が15%を超えること。届かない場合は入力欄そのものではなく、直前の見出し・ボタン文言を検証対象に切り替えます。この判定日を先にカレンダーへ置いてから着手します。
最優先・今週中 A2. 「無料」を含む検索語句を、語順違いも効く形で除外する → 広告運用担当
根拠: 「無料」を含む語に広告費の18%(¥86,400・216クリック)が流れ、問い合わせは0件。無料のツールを探している人が主で、有償のサービスとは意図が重なりません。 → 主張③
  1. 「無料」を語順が違っても効く指定で除外に追加する(完全一致では「無料 診断 クラウド」のような並び替えが漏れます)。
  2. 除外して浮いた予算は依頼系の語へ振り替える(配信量を落とさない)。
完了条件: 翌月の「無料」系費用が¥10,000未満まで下がり、依頼系のクリックが減っていないこと。
今月中・A1と並行可 A3. 月の中旬に追加した実績写真3枚を軽量化し、表示速度を2.5秒以内に戻す → デザイン担当 + 実装担当
根拠: 表示速度が2.4秒→3.8秒に悪化しました。追加された写真3枚は合計4.2MBで未圧縮のままです。前回レポートの指摘が後退した項目です。 → 04章
完了条件: 表示速度が2.5秒以内へ戻り、ページ前半での離脱が悪化していないこと。
継続方針 A4. スクロール到達の目標値は、今月はまだ決めない → 分析担当
根拠: 45%→52%と改善しましたが、A1・A3でページの構成そのものが変わります。変更前の値で目標を決めると、翌月の判定が濁ります。3か月分そろってから設定します。
ID優先度アクション担当
A5今月中どの入力欄で止まっているかを、項目単位で追えるようにする——A1の効果を「なんとなく良くなった」で終わらせないための計測の仕込み実装担当
A6継続方針比較・情報収集系の語は、今月は除外しない——検討中の人が使う語が混じるため、いま切ると将来の問い合わせも切り落とす。A2の結果を見て翌月判断広告運用担当

※実物のレポートでは、A5・A6にもA1〜A3と同じ粒度で「根拠の要約・手順・完了条件」が付きます。

今月、あえて手を打たないと決めたこと 自然検索には手を入れません。検索の表示回数・クリックはいずれも前月比で横ばい(クリック2,250→2,400)で、順位下落やペナルティの形をしていません(主張④)。ここでSEO施策を積むのは、いま最も効く場所から人手を逃がすことになります。「推奨アクションなし・観測継続」も、毎月のレポートの正当な結論のひとつとして扱います。何かを提案するために提案を作ることはしません。

翌月の判定基準先に決めておく

スマホの入力開始→送信完了 8.8% 目標 15%超(A1)
「無料」系の語への広告費 ¥86,400 目標 ¥10,000未満(A2)
表示速度 3.8秒 目標 2.5秒以内(A3)
広告経由の問い合わせ完了 8件 目標 10件以上

03根拠の展開 ── 主張ごとに、4つのデータを突き合わせる

ここからは02章の裏付けです。データソース別ではなく、主張別に並べます。「広告のデータ」「解析のデータ」と縦割りで眺めても結論は出ません。1つの主張に対して複数のソースが同じ方向を指すかどうか——それが根拠の強さです。このダイジェストでは主張②だけを実物の粒度のまま掲載し、残る3本は要旨に圧縮しています(実物では全4本が②の粒度です)。

月別の問い合わせ完了数 — 3か月連続で増加、目標10件にはあと2件
出典: アクセス解析(問い合わせ完了イベント)。前々月・前月は当時の集計値。数値は架空。
12件 6件 0 目標 10件 前々月: 4件 前々月 前月: 5件(獲得単価 ¥84,000) 前月 当月: 8件(獲得単価 ¥60,000) 8件 当月

主張② スマートフォンの完了率がPCの4割にとどまる。詰まっているのはフォームの入力段階(→A1)

広告からの流入の6割はスマートフォンですが、問い合わせはPCのほうが多く出ています。ページを見た人のうち問い合わせを完了したのは、スマートフォンが0.38%、PCが0.94%。

詰まっている場所は、フォームの手前ではなく中です。スマートフォンでも34人が入力を始めており、フォームまでは到達しています。そこから送信まで進んだのが3人だけで、途中離脱が9割を占めます。

デバイスセッション入力開始送信完了入力開始→完了判定
スマートフォン7903438.8%✗ 要改善
PC53018527.8%○ 基準内
合計1,32052815.4%—

出典: アクセス解析のデバイス別(当月)。タブレットは12セッション・完了0のためPCに合算。

デバイス別の問い合わせ完了率 — 2か月続けてスマートフォンがPCの半分以下
出典: アクセス解析(前月/当月)。母数はセッション。目標1.00%は合意済みの水準。数値は架空。
前月 当月
1.2% 0.6% 0 目標 1.00% スマートフォン 前月: 0.29%(完了2件/700セッション) スマートフォン 当月: 0.38%(完了3件/790セッション) 0.38% スマートフォン PC 前月: 0.75%(完了3件/400セッション) PC 当月: 0.94%(完了5件/530セッション) 0.94% PC
取りこぼしの規模 ── ここが「費用を増やす前にやること」の理由です スマートフォンの「入力開始→完了」がPC並み(27.8%)になれば、当月の入力開始34件から問い合わせは月+6件相当。01章③で採用したC案が必要としたのは1.12倍で、A1が効けばそれを大きく上回ります。だから先に費用を増やしません。

入力項目9個のうち、部署名・役職・従業員規模・予算感の4つがスマートフォンでの離脱要因。ヒートマップの録画では、これらの選択欄に到達した直後に操作が止まる例を3件確認しています。

どこまで確かか・反証 スマートフォンの完了は3件、PCは5件で母数が小さく、率の差が偶然の範囲に収まる可能性は残ります。ただし前月も同じ差の向きで、2か月続けて同じ形が出ています。A1の完了条件を「率が15%を超えること」に置いているのは、この母数でも判別できる差を先に決めておくためです。

残りの主張(①③④)ダイジェストのため要旨のみ

主張要点どこまで確かか
① 増えた問い合わせは、予算の積み増しではなく効率の改善で説明できる。広告費は¥420,000→¥480,000(+14%)に対し、完了は5→8件(+60%)。獲得単価は¥84,000→¥60,000へ改善。直接の要因は、同業他社の社名を除外してクリック単価が¥420→¥400に下がったことと、問い合わせ完了の計測が入って自動入札が成果を学習できるようになったこと 費用・クリック・完了数はいずれも確定値。「計測の実装が入札の改善に効いた」は推測(同時期に除外も入れているため切り分けができていない)。翌月、除外の効果が一巡した後に再確認
③ 広告費の18%が、意図しない検索語句に流れている(→A2)。検索語句を意図別に4つに束ねると、完了8件はすべて「保守・運用の依頼系」(630クリック・¥252,000)から出ており、「無料」を含む語(216クリック・¥86,400)は0件。ほかに比較・情報収集系¥62,400、匿名化などで語句が見えない分¥79,200 費用の内訳は検索語句レポートで確定。ただし費用の16.5%(¥79,200)は匿名化で語句が見えないため、比率は下限値。「無料」系の0件は216クリックでの結果で、比較検討の入口として後日つながる経路は否定できない
④ 自然検索は横ばい。手を打つ理由がない(→打ち手なし・観測継続)。検索の表示回数は約139,000→約148,000、クリックは約2,250→約2,400。自然検索経由の問い合わせも3→4件。特定ページの急落や、順位下落・ペナルティの形は見られない 横ばいであることは確定。ただし検索データは反映遅延のため期間が2日ずれています。「今後も横ばいが続く」ことの保証ではなく、今月に限り施策の優先度が低いという判断です

04前回レポートの指摘は、どうなったか(抜粋)

A社には以前、広告LP 1本を対象とした短期の分析レポート(初回診断)を出しています。定期レポートの本体は「今月の数字」ではなく「前回の指摘がどうなったか」です。前進も後退も、外れた読みもそのまま残します。実物では全項目を判定します(ここでは4つを抜粋):

#前回の指摘判定ひとこと根拠
1 そもそも問い合わせ完了が計測できていない。0件が本物かも分からない ✓ 解消 実装が完了。当月は解析側8件・広告側8件が一致し、判定を再開できた
2 意図しない検索語句へ広告費が流出している(26%) → 前進 同業他社の社名を除外し18%へ。「無料」系は未除外のまま残る(→A2)
3 フォームまで来た人が送信しない。入力項目が9個で多い − 未着手 9個のまま。スマートフォンの送信完了は8.8%で低迷(→A1・主張②)
4 ページの表示速度(2.4秒)は維持したい ▼ 後退 3.8秒へ悪化。月の中旬に追加した実績写真3枚(計4.2MB)が未圧縮(→A3)

※前回レポートは対象・期間が異なります(広告LP 1本/13日間)。厳密な同一条件の比較ではなく、指摘が現在どうなっているかの追跡としてお読みください。

05データと事実(付録)── ダイジェストでは1表のみ

実物のレポートには、03章の論証が参照しているすべての数値を出典付きで一覧化した付録が付きます(同じ「クリック」でも、広告とアクセス解析では定義が違うため、どの数字がどのソースのものかを必ず添えます)。本文は付録を開かなくても成立する構成です。

主要数値サマリ:前月 vs 当月 (15指標・出典つき/このダイジェストで唯一の実物付録)
指標前月当月出典
サイト全体のセッション8,1008,600アクセス解析
サイト全体の問い合わせ完了10件14件アクセス解析
広告 表示回数78,00096,000広告
広告 クリック1,0001,200広告
広告 費用¥420,000¥480,000広告
広告 クリック率1.28%1.25%広告
広告 クリック単価¥420¥400広告
広告経由の問い合わせ完了5件8件広告/アクセス解析
獲得単価¥84,000¥60,000広告 ÷ 解析
広告からの着地セッション1,1001,320アクセス解析
フォーム入力開始/送信完了41/552/8アクセス解析
自然検索 表示回数/クリック139,000/2,250148,000/2,400検索コンソール
平均スクロール到達45%52%ヒートマップ
押しても反応しない場所へのクリック6248ヒートマップ
表示速度(中央値)2.4秒3.8秒ヒートマップ観測 前月n=31/当月n=38

数値はすべて架空です。ソースをまたぐ絶対値は加減算しません(捕捉率が異なるため)。

この回の付録には、ほかに次の表が入っています(ダイジェストでは省略):

  • 週別の推移——クリック・費用・完了数・獲得単価を週単位で。月次合計では見えない、月内での傾き
  • 検索語句グループの内訳——4グループ別のクリック・費用・完了数と主な語(主張③の元データ)
  • デバイス別のフォーム到達——セッション・入力開始・完了・完了率(主張②の元データ)
  • 視聴推奨のヒートマップ録画——3本。1本ごとに「何を確認してほしいか」を1文で添えます

06このサンプルでお見せしている範囲

10秒・60秒・5分の3層構成

先頭のバッジだけで今月が良かったのか悪かったのかが分かり、01・02章だけで意思決定が完結します。03章以降は、疑ったところだけ検証するための層です。忙しい月は最初の2章だけ読めば足りる——そういう作りにしています。

KPIに対する達成/未達の判定

毎月、あらかじめ合意した目標値に対して達成/未達を判定します。「増えた・減った」の報告では、続ける/やめるの判断ができないためです。目標が未設定の指標は「未設定」と書き、こちらで勝手に目標を決めることはしません(決めるのはお客様です)。

計測の健全性を、最初のゲートにする

判定の前に必ず「その数字は信用できるか」を判定します。信用できない月は、成果の判定そのものを見送ります。先月まではこのゲートで止まっていた月で、最優先アクションは施策ではなく「計測を直すこと」でした。

目標までの距離の分解

「あと2件足りない」を、クリック数と完了率の組み合わせに分解します。ここまで分解して初めて、広告費を増やすのか、ページを直すのか、どちらから着手するかが数字で決まります。

主張別の論証(ソース別の羅列をしない)

広告(費用・検索語句・入札)、アクセス解析(流入・行動・完了)、検索(クエリ・順位)、ヒートマップ(スクロール・クリック・録画)を、データソース別ではなく主張別に束ねて突き合わせます。1ソースだけでは、原因の切り分けができません。

前回の指摘の追跡

定期レポートの本体は今月の数字ではなく、前回の指摘が解消したか・前進したか・未着手か・後退したかです。後退も外れた読みも、そのまま書きます。積み上げるには、外れの記録が要ります。

数字の限界の明示

サンプルサイズが足りない、期間がずれている、見えない範囲がある——隠さず書きます。各主張に「どこまで確かか」を添え、事実と推測を分けて書きます。判定できないものを判定しないのも、成果物のうちです。

あえて手を打たない、という結論

毎回何かを提案する義務はないと考えています。「観測継続が最適」ならそう書き、その根拠を添えます。今月は自然検索がそれに当たりました。提案のために提案を作ると、いちばん効く場所から人手が逃げます。


初回診断(単発)でも、同じ形式でお出しします 本ページはサイト全体を毎月定点観測する「定期レポート」のサンプルです。まず1回だけ現状を見てほしい「初回診断」でも、章構成・記述の粒度はこのサンプルと同じです(前回指摘の追跡=04章は初回にはありません)。分析の範囲・対象ページは、見たい論点に合わせて調整します。サービスの詳細はこちら。

自社サイトでも、こうやって数字を見ています

このサンプルは架空の企業を題材にしていますが、当社は自社サイトにも毎月この形式でレポートを出しています。同じ形式のレポートを、お客様のサイト・広告アカウントに対して毎月お届けします。まずは現状の整理からご一緒します。

07注記

  1. 本ページは公開用サンプル(ダイジェスト)です。架空の企業「A社」を題材にしたもので、数値・社名・キーワード等はすべて架空です。章構成・分析の手順・記述の粒度は実際の納品物と同じですが、分量は実物の約半分に要約しています。
  2. 比較期間は前月(30日間)で、当月(31日間)とは1日の差があります。増減はいずれも率で比較しています。また検索データのみ反映遅延のため、期間が2日ずれています。
  3. ページ単位・デバイス単位の率は、いずれも n<300 の参考値です。とくにデバイス別の完了数は3件・5件と少ないため、率の差は「方向」として扱い、倍率の議論には使いません。
  4. 表示速度は、ヒートマップで観測できたセッションの実測値の中央値です(前月 n=31/当月 n=38)。サイト全体の代表値ではありません。
  5. 01章の目標値のうち「暫定」と記したものは未承認です。実績レンジから機械的に置いた叩き台であり、事業目標からの逆算ではありません。したがって当月の判定は参考値で、正式な達成/未達の判定は目標値の承認後から開始します。お客様の場合も、初回は同じく「目標値を一緒に決める」ところから始めます。
  6. 本サンプル内で「推測」と記した箇所は、データから直接は言えない解釈です。各主張に「どこまで確かか」を添え、事実と推測を分けて書くことを原則としています。仮説の採否と施策の実行判断は、AIではなく人が行います。
  7. ソースをまたぐ数値は加減算していません(広告・アクセス解析・検索・ヒートマップで計測の仕組みと捕捉率が異なるため)。同じ「クリック」でも定義が違うことを前提に読んでください。
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