開発者に管理者権限を付与した結果、わずか数時間で数百台のEC2が自動作成され、数十万〜数百万円規模の課金につながる——こうした事故は珍しくありません。。
AWS運用において、アカウント管理はセキュリティとコストの両面に直結する重要な要素です。特にIAMの権限設計やrootアカウントの扱いを誤ると、不正利用や予期せぬ課金といった深刻なトラブルにつながります。
本記事では、AWSアカウント管理の基本から、実際に起きやすい失敗パターンとその防ぎ方まで、実務目線で整理します。
アカウント管理とは

アカウント管理とは
AWSを利用すると、AWSのrootアカウントやIAMユーザー、EC2インスタンスへのログインアカウントなど、様々なアカウントを利用することになります。
管理者権限のアカウントを使うことで、全ての操作が可能です。しかしながら、不必要な権限を与えることは、セキュリティ上のリスクになりえます。
そのため、そのユーザーが必要な権限のみを、必要なタイミングで付与して提供する必要があります。また、退職等で不要になったタイミングで削除をおこなわなければなりません。
このアカウントに関する管理を行うことを、アカウント管理といいます。
お客さまにてアカウント管理する場合のポイント

アカウント管理のポイント
AWSでは、IAMについてセキュリティのベストプラクティスが提示されています。
参考:IAM でのセキュリティのベストプラクティス
AWSを利用するさいは、必ず確認しておきましょう。
初期設定後はAWSの管理者権限を利用するのは避けるべきです。管理者権限の変わりに、必要な権限を割り当てた、IAMユーザー(ロール)を使うようにします。
そうすることで、漏洩した場合のリスクを減らすことが可能です。
さらに、多要素認証(MFA)の利用を義務付けることで、情報が漏洩した場合も、不正利用されるリスクを大きく減らすことが可能です。
アカウント管理の失敗例

アカウント管理失敗例
IAMアカウントの権限は必要最小限のものを利用しましょう。
閲覧が必要であれば閲覧のみに制限しましょう。あるシステム開発会社様では、開発者にアドミン権限を付与した結果、プログラム上のミスで、多数のEC2が自動構築されることになってしまいました。
本来必要な閲覧権限を払い出ししていれば防げた失敗です。必要最小限のアカウントを提供するようにしましょう。
また、アカウントが漏洩すると、「多額の利用料請求」「情報漏洩」「加害者からの脅迫」「犯罪への加担」などビジネス上の大きなリスクが発生します。
特にIAMのアクセスキーを使い、プログラムから利用する場合は注意が必要です。アクセスキーをソース上に埋め込んでしまい、GITの公開リポジトリへプッシュすることで、情報が漏洩する。という事例が多くあります。
もし、見覚えのないインスタンスが作成されているなど、不正利用の可能性に気付いた場合は、下記ページ等を参考にして対処しましょう。
AWS アカウントの不正なアクティビティに気付いた場合、どうすればよいですか?
ディーネットのAWS運用代行サービスでは

ディーネットにお任せいただくメリット
ディーネットが提供するAWS運用代行サービスでは、AWSの管理者権限含め、アカウント管理はすべてディーネットにて行います。
サーバーへのログインアカウントなど、お客様が必要なアカウントを適宜発行し、共有いたします。
関連するFAQ
Q. AWSのアカウント管理とは何ですか?
A. rootアカウント、IAMユーザー、IAMロールなど、AWS上で操作を行う主体を適切に管理することです。権限の付与・削除、認証強化、不要アカウントの整理まで含まれます。
Q. なぜ管理者権限の常用は避けるべきですか?
A. 管理者権限はすべての操作が可能なため、誤操作や漏洩時の被害が極めて大きくなります。実際に、設定ミスやバグで大量リソースが作成され、高額課金につながるケースがあります。日常運用では必要最小限の権限に限定すべきです。
Q. IAMの「最小権限」とは何ですか?
A. 業務に必要な範囲だけの権限を付与する考え方です。例えば「とりあえずAdministratorAccess」はNGで、「ReadOnlyAccess+特定サービスのみ操作許可」のように制限します。判断軸は「そのユーザーが壊せる範囲をどこまで許容するか」です。
Q. rootアカウントはどう扱うべきですか?
A. 原則として日常運用では使用しません。初期設定や請求関連など限定用途に留め、必ずMFAを有効化します。漏洩時の影響が最大になるため、最も厳重に管理すべきアカウントです。
Q. MFAは本当に必要ですか?
A. 必須と考えるべきです。パスワードが漏洩しても不正ログインを防げるため、被害を大きく抑えられます。特に管理権限やrootアカウントには必ず設定します。
Q. よくあるアカウント管理の失敗例は?
A. 主に次の3パターンがあります。
・権限過多:開発者に管理者権限を付与し、ミスや自動処理で大量リソースが作成される
・アクセスキー漏洩:ソースコードに埋め込み、GitHub公開で流出し不正利用される
・退職者アカウント放置:不要アカウントが悪用される
いずれも「最小権限」と「不要な認証情報の排除」で防げます。
Q. IAMユーザーとロールはどう使い分けるべきですか?
A. 人がログインする場合はIAMユーザー、アプリケーションやAWSサービス間の連携にはロールを使います。特にEC2やLambdaではロールを使い、アクセスキーを持たせない設計が推奨されます。
Q. アクセスキーはいつ廃止すべきですか?
A. 可能な限り使用しないのが理想です。ロールで代替できる場合は即時廃止を検討します。やむを得ず使う場合でも、定期ローテーションと最小権限の徹底が必要です。
Q. 小規模環境でもMFAは必要ですか?
A. 必要です。規模に関係なく、1つの漏洩で全リソースが影響を受ける可能性があります。むしろ小規模ほど被害耐性が低いため重要です。
Q. 不正利用の兆候に気づいたらどうすればいいですか?
A. 直ちにアクセスキー無効化、パスワード変更、不要リソースの停止を行い、AWSの公式ガイドに従って対応します。対応が遅れるほど被害額が増えるため、初動が重要です。
まとめ

最後までご覧いただきありがとうございます
AWSに関連するアカウント管理は、非常に重要です。
ベストプラクティスを参考にすることで、セキュリティ上のリスクを下げることができます。運用中の管理者権限の利用は避け、必要最小限のIAM発行を行うようにしましょう。
